-RYUJI’SVIEW-
俺は、町で起きた爆発の原因を調べるために屋敷を飛び出した。
龍時「ん?メールか。」
すると、司令官からメールが来た。メールの内容は、
『今すぐこの添付した動画を見てくれ。』
そのメールに添付された動画を見ると、『ロイヤル・カーズ』と名乗る組織による動画だった。
動画内の妖怪『我々ロイヤル・カーズは、人間に宣戦布告をする!我々妖怪が人間を滅ぼそう!我々の圧倒的な力に恐れて降参するのであれば、これから我々が人間を統治する!』
この爆発はこの組織によるものだったのか。しかし、面倒くさいことになった。
龍時「さて、そこで隠れているのは、『ロイヤル・カーズ』の妖怪か?」
すると、止まっている車の影から、人影が現れる。
Ⅹ「気づいておったか、拙者の名はⅩ。おぬしからはただならぬ気配を感じたのでな。様子を見ていたのだが、拙者の予想は的中してしまったようだ。」
なんだこいつ。変なしゃべり方だな。
龍時「そこまで分かってるんなら、やることは決まってるよな。」
Ⅹ「ああ、いざ尋常に」
龍時「勝負!」
お互いに刀を持ち、走り出す。そして刀同士がぶつかり、互いに後ろへ下がる。
Ⅹ「おぬしも刀を使うのか。」
龍時「まあな、だが、お前は妖術とやらを使わないのか?鬼火だとか。」
俺はふと疑問に思ったことを聞いてみた。]
Ⅹ「ほう、妖術の存在を知ってるということは、魅守一兎の仲間か?」
なんでこいつが一兎のことを知っている。,
龍時「ああそうだよ。一兎は俺の弟子だ。」
Ⅹ「なるほど、ならばおぬしは魅守一兎よりも強いということか。ふっ、面白いではないか。おぬしこそ我が奥義を見せるにふさわしい!」
Ⅹは刀を構える。しかしその刀には風のようなものが宿っていた。
Ⅹ「妖術、第壱幕、陣風!」
するとⅩは一瞬で俺を斬りに来る。一兎でもギリギリ反応できるくらいの速さだ。
龍時「速いな。風の妖術を使って高速移動をしたのか?」
Ⅹ「今のを防ぐとは、なかなかやるな。だが、これだけではないぞ!」
龍時「いや、もう終わりだ。俺はこの戦いにあきた。」
俺は刀をもう一振り取りだし、二刀流の構えをする。
Ⅹ「おぬし、何を言って・・・」
龍時「物質超加速」
俺は超高速で走り出す。すると、相手の体には少なくとも一万ほどの傷ができる。もちろん相手は驚く。だって、俺が行動をしてから一秒も経っていないのだから。
Ⅹ「お、おみごと・・・」
Ⅹが倒れる。龍時「さてと、一兎はどこにいるかな・・・・・・ッ」
俺が一兎を探していると、一兎と、アリサを見つける。しかし、その二人の頭上には、大きながれきが落ちてきていた。俺の能力では、二人を同時には守れない。せめて一兎が倒れていなければどうにかなったんだが。ていうかなんであいつは倒れてるんだ?
龍時「くそ!どうすればいい!」
俺が思案していると、とある女の声が聞こえる。
?「終焉機構!」すると、大きながれきは落ちてくるのが遅くなり、一兎とアリサは強制的に移動させられる。
龍時「お、お前は・・・」
-ICHITO’SVIEW-
事件から数日後、俺は目を覚ます。どうやらまた気絶してしまったようだ。
透「一兎君!目が覚めたんだね!よかった。まったく、血液投与する羽目になるとは。忙しかったんだからさぁ、僕のことをほめてよ!」
うるさいやつがいた。にしても血液投与か。しかたがないことなのかなぁ。
一兎「じゃあ、もう俺は戻りますよ。」
透「ええー。もっと遊んでいきなよ。銀狼は今忙しいんだから。」
俺は思わず聞き返してしまった。
一兎「それってどういう。」
透「うーん。なんだったかなぁ。たしか、あの妖怪の宣戦布告の事件を、セフィラム規制派の連中が、セフィラム能力者によるものだとか何とか言って、そのせいで世界は大混乱。だから、政治家の百瀬さんの命令で、なんかいろいろ処理してるみたいだよ。」
セフィラム規制派とは、能力者の存在を認めていない連中のことだ。そいつら邪魔してきたせいで俺たちの組織は非公開になってしまったのだが。
一兎「この事件は利用されたってことか?」
透「そうゆうこと。だからさ、僕と楽しいことをしない?」
やばい。早く逃げないと。そう思った瞬間。
?「終焉機構。」
先生の動きが止まった。とある女の能力によって。
?「イチ兄、大丈夫?襲われてない?」
一兎「いいや、襲われそうだった。助かったよ。歌恋。」
歌恋「どういたしまして。」
こいつの名前は常陸歌恋
。俺の妹、みたいなやつだ。俺と全く同じ日に銀狼に入隊した俺の同期だが、年齢は俺より一つ年下で、俺たち二人の初任務で歌恋がピンチになっていたところを俺が助けたとき以来、俺を兄のように慕ってくれている。ちなみにイチ兄という呼び名はあいつが勝手に呼び始めただけで、俺の趣味とかじゃないからな。
透「歌恋ちゃん、もうそろそろいいよね。」
歌恋「あ、ごめんなさい。あと十分は動けませんよ。」
透「うそでしょ!」
歌恋の能力は『物体にはたらく力を操る能力』だ。例えば、重力の操作、摩擦力の操作などができる。この能力の範囲は、目に映ったらすべて範囲内となる。俺の能力より便利だ。能力名は、終焉機構。俺の能力の名前に寄せているのは俺の妹になりたかったからだそうだ。確かに俺の能力は二つとも名前にラストがついてるけどね。
歌恋「私、今日はここに泊まろうかなぁ。自分が妖怪だってことをつい最近まで黙ってた馬鹿兄貴のことが心配だし。」
一兎「その節は誠に申し訳ございませんでした。」
俺が半妖であるということは、国王護衛任務の時まで黙っていた。あの後はめっちゃ怒られた。あと、歌恋はお金持ちの家で生まれ育ったお嬢様なので、家は園上邸ではない。まあ、いつもここにあそびにきているので、彼女にとっては第二の家なのだろう。
歌恋「そうだ、イチ兄。ちょっとお願いがあるんだけど・・・」
一兎「なんだ?お前の頼みならいくらでも聞くぞ?」
歌恋「ありがとう!実はね・・・」