第七話 花咲く教室

一兎「休日に学校なんて初めてだよ。」
アリサ「一兎くんは部活に入ってるの?」
一兎「あの仕事をしながら部活ができると思うか?」
アリサ「あ、確かにそうだよね。」
今俺たちは俺の通う『藤ノ宮学園』という高等学校に向かっている。なぜ休日に行ってるのかというと、さっき幽さんに訓練の代わりにアリサの転入手続きを済ませてほしいと言われたからだ。
一兎「てか、うちの学校って転入手続きをするために直接学校へ行かないといけないんだな。まあほかの学校がどんな感じなのかは知らんけど。」
アリサ「まあ、転入前に直接顔を見ておきたいということなんじゃない?」
一兎「ま、そんなことはどうでもいいけどな。にしてもアリサは運がいいなぁ。」
アリサ「えっ、どういうこと?」
一兎「お前の転入するタイミングだよ。まさか入学式の日だとはな。」
アリサ「確かに、新しいクラス内での溝とかはあんまりないからよかったのか、な?」
一兎「別に、クラス内で孤立してても俺が相手になってやるけどな」
アリサ「えっ?う、うん。」
一兎「さて、ここが藤ノ宮学園だ、かなり広いだろ。」
アリサ「確かに広い。私、これからこんなところに通うの?」
アリサが尻込みするのもわからなくはない。なぜならこの高校の広さは名門大学並の広さだからだ。
一兎「ああ、広いからな。迷子になるなよ。」
アリサ「一兎くんについていくから大丈夫!」

一兎「ここが職員室だ。準備はいいか?」
アリサ「スーハー。うん、大丈夫・・・」
コンコンコン
アリサ「失礼します。明日から転入することになった花咲アリサです。」
教師「はい、少々お待ちください。」
一兎「じゃあ、アリサ、俺はあそこで待ってるから。あとでな。」
アリサ「うん。」

アリサの転入手続きも終え、屋敷に帰ることにした。
一兎「うーん、なんか軽く食べてくか。」
アリサ「え?」
一兎「いや、ちょっと小腹が空いたもんで。あ、アリサにおすすめの店があったんだ。」
アリサ「それってどこ?」
一兎「もう少しでつくよ。ていうかもう見えてるし。」
アリサ「え?どれのこと?」
一兎「あれだよ。あの焼き鳥屋。」
アリサ「へぇー。」
一兎「その顔は信用してないなぁ?だが食べると絶対驚くぞ!おーい!おじさん!いつものもも肉二人分!」
焼き鳥屋「お、いっちゃんか。今日は二人分なんだな。そっちの黒髪の女の子は彼女さんかい?」
アリサ「え!」
一兎「違う違う!ただの友達だよ。」
焼き鳥屋「そうかぁ。おっと、もも肉だったね。ストックがあるからすぐ食べれるよ。」
一兎「じゃあ、はい焼き鳥代の三百円!」
焼き鳥屋「おう、ちょうどだな。じゃあ、はい。まだ熱いから、気をつけろよ!」
一兎「ああ、ありがとな。さてと、はい。アリサの分だ。って、ん?」
アリサ「彼女?私が一兎くんの?え?私たちはたから見ると恋人に?」
一兎「おーい、アーリーサー?」
アリサ「ひゃい!」
一兎「そんな驚かなくてもいいじゃん。はい焼き鳥。熱いうちに食べな。」
アリサ「う、うん。 あ、おいしい。」
一兎「だろ?だから言ったじゃんおいしいって。」
アリサ「うん。ちょっと侮ってたかも。」
一兎「じゃあ、そろそろ帰るかな。」
アリサ「うん!帰ろっか!」

・・・・・・帰宅後
アリサ「一兎くん、あの学校って普段はどんな雰囲気なの?」
一兎「んー、なんて言ったらいいのかな?あほの集団」
アリサ「は?」
一兎「先生も先生らしい人はいないし、生徒会ですらネタキャラ扱い。」
アリサ「え?」
一兎「まあ、自由な教育をがモットーらしいけど、ちょっと自由すぎるんだよなぁ。」
アリサ「不良の学校?」
一兎「いや、みんないいやつなんだけど、頭のネジが外れてるというかなんというか。」
アリサ「それってどういう―」
幸「あ、アリサちゃん!!いやー今日も可愛いね。僕とデートしない?」
一兎「こういうやつが主な例。」
アリサ「あーそういうこと。」
幸「ねぇー!デートしようよ!」
アリサ「いや、今日はもう一兎くんとデートしたので、結構です。」
幸「え?そんなの不公平だよ。僕とも行こうよ!」
アリサ「ええ・・・」
一兎「はぁ、寝てろ、幸。」
俺は幸の後頭部をたたき、気絶させた。
アリサ「これでよかったんでしょうか。」
一兎「よかったの!」
アリサ「は、はい。ありがとうございました。」