一兎「これでもくらえ、妖術、第陸幕
、火竜巻!」
俺を中心に炎の竜巻が発生する。
J「なかなかやるね。妖術、第肆幕、海牢
!」
水の結界が俺を包もうとするが、一瞬で蒸発した。
J「なんだと!?」
一兎「今だ!妖術、第肆幕、不死鳥!」
炎を体にまとい、相手を蹴る。しかし、
J「僕にその程度の技が通用するとでも?妖術、第陸幕、五月雨!」
大量の雨のような攻撃が降ってくる。上空からの攻撃を防ぐすべは、普通の俺にはなかった。普通の俺には・・・な。
一兎「輝ける華の花弁よ。攻撃をすべて防げ!」
すると、俺の背中にあった宝石のような花は、上空へと飛び、雨を防いだ。
一兎「妖術、第参幕、業火ノ一
太刀!」
そして炎の剣で相手を切り裂く。
J「ほう、なかなかやるようだけど、まだまだだね」
だが、Jは無傷だった。
一兎「ば、ばかな!」
J「君も詰めが甘いんだよ。その詰めの甘さは親譲りかな?」
Jは気になることを言ってきた。
一兎「なに?親譲り、だと?どういうことだ!」
俺はやつに聞いてみた。
J「仕方がない。君には教えておこう。僕は君の両親を殺したんだ」
その単語を聞いた時、俺の中で何かが決壊した。
一兎「そうか、お前が。お前が!俺の家族を殺したのか!」
J「だからそう言ってるだろ。本当に面白いめぐりあわせだよね」
一兎「う、うああああああああああああ!」
俺は力の限り叫んだ。今、俺の目の前には俺が今まで生きてきた理由とも言える奴がいる。
一兎「妖術、拾ノ型、炎龍・
・・あれ?」
するとその時、秘守術が解除された。
一兎「どういうことだ?まあ、なんでもいい。妖力全開放!」
俺は妖怪の姿になり、技を準備する。
J「面白い。妖術、第拾幕」
一兎「妖術、第拾幕」
水属性の第拾幕は炎属性の第拾幕とあまり変わらなかった気がする。つまり、力の使い方が上手なほうが勝つというわけだ。
J「水龍乱舞!」
一兎「炎龍乱舞!」
水の龍と、炎の龍がぶつかり合う。その結果。
一兎「ぐ、ぐぁああああああ!」
俺が負けた。
J「一兎君もまだまだだねぇ」
一兎「くそ、負けるわけにはいかないのに!お前だけは、絶対に殺す!来い!エラーブレード!」
俺はエラーザブレード、通称エラーブレードを手に持つ。エラーブレードは呼べば飛んでくるのだ。
J「そんな剣で僕を倒せるのだと思っているのなら、さっさと逃げたほうが良かったんじゃない?」
俺は力の限り剣を振り回した。だが、
一兎「な、ん、だと?」
気が付けば俺の体は後方に飛ばされていた。
J「本当に弱いなぁ。これで終わりにしようか。ん?」
歌恋「終焉機構!」
いままで倒れていた歌恋がJの動きを止める。
歌恋「イチ兄は、殺させない!」
歌恋は踏ん張るが、
J「うっとうしいな。妖術、第玖幕、玄武ノ
大海原」
Jには歌恋の能力が効いてないらしく、スムーズな動きで大量の水の槍を飛ばす。
歌恋「なんで!?」
歌恋は驚いて、その槍をよけようとしたが、
J「ごめんね。その槍は追尾式なんだ」
槍が歌恋を追跡する。そして、
歌恋「きゃあああああ!」
大きな爆発音とともに歌恋の悲鳴が響いた。
一兎「つ、強すぎる・・・」
J「さて、君たちをあの世に送り届けてあげようかな」
Jが歌恋に攻撃をしようとした、そのとき!
?「妖術、第弐幕、常闇」
謎の黒い煙幕のようなものがJを包む。
J「なに?視界が奪われただと?くそ、妖術、第弐幕、水平線!」
Jは自分を守るように水の刃を作る。チャンスなのは確かだが、これでは近づけない。そしてこの攻撃をしたやつのことも気になるがそんなことより、
一兎「誰だか知らないが、ありがとな!妖術、第捌幕、炎狼の爪痕!」
俺は歌恋を抱きかかえて園上邸へ逃げた。
-JACK'SVIEW-
J「ふう。常闇の効果がやっと切れたか。にしてもこの技を放ったのは誰だ?」
僕は考える。一兎君も誰だかわかっていなかった。ならば『銀狼』に所属しているわけではない。
J「つまりは第三者。一兎君のことを一方的に知っているということになるな」
僕はとある人に電話をかける。
J「Kさん?私です。Jです。魅守一兎
に逃げられました。何者かが妖術を使って僕の動きを封じたんですよ。ただ、その人が本当に妖怪なのかは怪しいんですけどね」
僕が今電話しているのはKといって、『ロイヤル・カーズ』のナンバー2だ。彼に先ほど起きたことを話す。
J「さっき僕の邪魔をしたやつからは妖力を感じなかったんですよ。でも、確かに妖術を使った。となると考えられるのは、薬でも作って妖術を使えるようにしたか、セフィラム能力を使ったか。その二択ですね」
セフィラム能力は未知数だ。だから技をコピーする能力みたいなのがあるかもしれない。そういえばこの前僕らの組織が起こした事件でVが出動したきり帰ってこなかったような・・・
J「そういえばKさん。このまえいなくなったVって闇属性の妖術の使い手でしたよね・・・やっぱりそうでしたか、ありがとうございます。それではまた後ほど伺いますね」
僕は電話をきった。やはりさっき僕の邪魔をしてきた男の能力は技をコピーをする能力だろう。あの妖術はVが使ってたのをコピーしたに違いない。
J「厄介だが、何とかするしかない。一兎君が僕の正体に気づかなければいいんだけど」